
コラム
意外と知られていない「売却開始からお金を受け取るまで」の本当の期間
不動産の売却を検討するとき、よくある誤解が「売り出せばすぐに決まって、すぐにお金が入る」というもの。
しかし、実際には売却活動にはさまざまな工程があり、想像以上に“時間がかかるもの”です。
ここでは、売却を本格的にスタートしてから、買主に引き渡し・代金受領までにかかる期間と、
意外と見落とされがちなポイントについてご紹介します。
🔁 売却完了までの全体フローと想定期間
不動産売却の流れは、大まかに次のように進みます:
- 準備(資料整理・査定・媒介契約):1〜2週間
- 販売活動開始〜買付申込:1ヶ月〜3ヶ月
- 売買契約〜引き渡し・代金受領:1ヶ月〜2ヶ月
- (必要に応じて)測量・解体などの付帯作業
つまり、売却活動自体がスムーズにいったとしても、トータルで2〜4ヶ月は最低でも見ておく必要があるのが現実です。
さらに、土地・古家付き・再建築条件などが絡むと、想定以上に期間が延びることがあります。
📏 測量が必要な場合は「+3ヶ月」を想定
特に土地の売却や古家付き土地の売却では、境界の明示・測量が求められるケースがほとんどです。
- 確定測量を行う場合:土地家屋調査士に依頼してから2〜3ヶ月
- 隣地との境界立会いが必要:相手方との日程調整や境界確認に時間がかかる
また、セットバックや接道が複雑な場合には、役所との協議も発生し、想定外の時間がかかるケースもあります。
🏚 解体する場合は、測量後+3週間〜1ヶ月
解体工事は「すぐできる」と思われがちですが、実際には以下のようなプロセスが必要です:
- 測量で杭の位置を確定しないと、解体に入れない
- 境界杭が不明なまま解体を進めると、トラブルのリスクあり
- 既存の杭が飛んでしまった場合、再測量・再立会いが必要になることも
また、解体業者とのスケジュール調整や近隣挨拶、廃材処分の手配も必要です。
工事開始から完了まで3週間〜1ヶ月は見込むべきです。
💴 買主の住宅ローン審査にも1ヶ月〜1.5ヶ月
買主が住宅ローンを利用する場合、売買契約後にローン関連の手続きが必要です:
- 事前審査:1〜5営業日
- 本審査:7〜10営業日(長いと2週間以上)
- 金消契約〜融資実行:1〜2週間
つまり、ローン利用がある場合は売買契約から引き渡しまで約1ヶ月を見込む必要があります。
📌 まとめ:売却は「売り出し」ではなく「完了日」から逆算して考える
売却活動は、「いつ売りに出せるか?」よりも、「いつまでにお金を受け取りたいか」から逆算してスケジューリングすることが大切です。
特に、以下のような物件は要注意:
- 測量が必要な土地
- 古家付きで解体を伴う物件
- 隣地との境界が曖昧な物件
- 買主が住宅ローン利用予定
これらが重なると、売却開始から代金受領まで半年近くかかるケースも珍しくありません。
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