
コラム
「マンションに購入希望のお客様がいます」というチラシは本当?その真意と注意点を解説
自宅のポストに届いた不動産会社のチラシ。
「このマンションで購入を希望されているお客様がいます」「ぜひご紹介させてください」──
そんな言葉に、ちょっと気になってしまったことはありませんか?
さらにそのチラシには、相場よりもやや高い価格が書かれていることも。
「この値段で本当に買ってくれるならお願いしようかな…」と思ってしまうのも自然なことです。
でも実は、このようなチラシには注意しておきたいポイントがあります。
今回は、「購入希望のお客様がいます」というチラシがどこまで本当なのか、
そしてこの手のチラシで失敗しないために知っておくべきことを、冷静な視点で解説します。
✅「購入希望者がいます」は、ウソではないけれど“言い方”に注意
まず大前提として、「購入希望のお客様がいる」という文言自体が完全なウソというわけではありません。
実際、不動産会社には日々さまざまな買主からの希望登録があります:
- 〇〇エリアのマンションを探している
- △△マンションの高層階に住みたい
- 駅徒歩5分以内で3LDK希望
ただし多くのチラシは、「あくまで該当しそうな人がいる」レベルの話で、
「●●号室を希望して今すぐ買える人が待っている」ケースは非常にまれです。
🏷 相場以上の価格が書かれている理由
チラシに「●●万円で購入希望のお客様がいます」と書かれていることもありますが、
この“相場以上の価格”には、ある意図があります。
✅ 主な狙いは「売却相談を獲得したい」ため
- 興味を引き、「話だけでも聞いてみようかな」と思わせる
- 売却の意思があるかを探り、媒介契約に結びつけたい
「買主がいる」というより、“売主との接点づくり”が目的になっている場合もあります。
❗注意したい3つのポイント
① 「います=すぐ買える」ではない
「お客様がいます」と聞くと、
「購入者は決まっていて、あとは私がOKすれば売れる」と感じてしまうことも。
しかし実際には:
- ローン審査がまだ
- 他の物件も同時に検討中
- 希望条件と完全一致していない
📌 「います」は“検討中の方がいる”程度と考えるのが安全です。
② 書かれている価格が「成約価格」ではない
チラシにある価格は多くの場合「想定売出価格」で、
その金額で確実に売れるとは限りません。
買主の予算と一致するか、相場とのバランスを見極める必要があります。
③ そのまま専任契約を結ばないこと
「すぐ買いたい方がいるので専任で任せてください」と言われても、
すぐに契約するのは危険です。
専任媒介を結ぶと、他社からの提案を受けにくくなり、
販売戦略を比較できないリスクもあります。
💬 「相談するな」とは言いません。ただ、こう活用しましょう
チラシをきっかけに相談するのは悪いことではありません。
でもその際は、以下の点を意識しておきましょう。
- 相場の根拠を確認(成約事例を見せてもらう)
- 他社にも査定を依頼して比較する
- 「すぐ売れます」は慎重に見極める
✅ チラシは「きっかけ」になる。でも「判断材料」にはならない
「購入希望者がいます」というチラシは、売主の関心を引くツールです。
ただし、それをそのまま信用して判断すると、条件面で損をしてしまうことも。
大切なのは、“売主として冷静に情報を整理しておくこと”です。
📣 チラシが届いたら、まずはセカンドオピニオンを
弊社では、他社からのチラシや営業を受けた方向けに「セカンドオピニオン査定」も行っています。
- その金額は適正か?
- 本当にその買主がいるのか?
- もっと広く売却できる方法はないか?
- その条件は売主にとって不利ではないか?
「ちょっと話を聞いてみたい」だけでもOK。
判断材料が偏らないうちに、ぜひ一度ご相談ください。