
コラム
リースバックってどうなの?

持ち家を売却して現金化し、その後も同じ家に住み続けられるリースバックという仕組みをご存じでしょうか?まとまった資金が必要なときや、住宅ローンや固定資産税が家計を圧迫している場合に注目される方法です。しかし、この仕組みにはメリットとデメリットが存在し、利用する際には慎重な判断が必要です。本記事では、リースバックの仕組みやトラブル事例、後悔しないためのポイントについて解説します。
リースバックとは?
リースバックは、持ち家を売却して現金を手に入れた後、その家を買主から賃貸として借りる仕組みです。この方法には以下のような特徴があります。
- 現金化が可能
自宅を売却することで、まとまった資金を得ることができます。
- 引越し不要
売却後もそのまま住み続けられます。
- ランニングコストの削減
住宅ローンや固定資産税の支払いが不要になります。
一見すると便利な仕組みに見えますが、注意点も少なくありません。以下で、リースバックの主な欠点を見ていきましょう。
リースバックの欠点
売却価格が低い
リースバックでは、一般的な不動産仲介での売却に比べて価格が低くなる傾向があります。市場価格の60–80%程度に抑えられることも多く、十分な資金を得られない可能性があります。
賃貸期間に制限がある
多くの場合、リースバックは定期借家契約が採用されます。この契約では、期間満了後に退去が必要になる場合があり、長期的に住み続けることは難しいこともあります。
家賃の負担
リースバック後は家賃が発生しますが、その金額は周辺相場よりも高く設定される場合があります。これが家計を圧迫する原因となり得ます。
トラブル事例
以下は、実際に起こり得るリースバックのトラブル事例です。
- 売却価格が期待より低かった
複数業者に見積もりを依頼しないと、相場より低い価格で売却するリスクがあります。 - 買い戻しが難しかった
再取得を希望しても、価格が高く設定されており資金調達が困難になることがあります。 - 住み続けられなかった
定期借家契約の場合、契約満了後に退去を求められる可能性があります。 - 家賃の負担が大きかった
家賃が高額で生活費を圧迫し、結果的に後悔するケースもあります。 - 別の選択肢が有利だった
賃貸経営や通常の売却のほうが収益性が高かったと後悔するケースがあります。
後悔しないためのポイント
リースバックを利用する際には、以下の点を押さえておくことが重要です。
契約内容をしっかり確認
普通借家契約と定期借家契約の違いを把握し、自分の希望に合う条件かを確認しましょう。
家賃や買い戻し条件についても詳細に理解することが必要です。
家賃支払い計画を立てる
毎月の家賃が家計を圧迫しないか、事前にシミュレーションを行いましょう。
複数の事業者を比較
複数のリースバック事業者から見積もりを取り、条件を比較して選ぶことが大切です。
専門家に相談
不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談して、他の資金調達方法も含めた最適な選択肢を検討しましょう。
まとめ
リースバックは、現金化と住み続けることを同時に実現できる便利な仕組みですが、利用には慎重な判断が必要です。特に契約内容や家賃設定、将来的な住居の計画を考慮せずに契約すると、後悔することもあります。リースバックを検討する際には、事前に十分な情報収集を行い、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。